永野護さん、独創的で唯一無二の世界観を描く鬼才のデザイナー。
自分は代表作である「ファイブスター物語」でファンになって30年以上。
遂にというか、今まで無かったのが不思議な感じですが、初の大型展覧会が開催されるということで、
これは行かないと!と、すぐに前売り券を手配し、有休取って平日朝から乗り込みました。
前日夜はF.S.S.(ファイブスター物語)の劇場版を見直してテンションを上げよう!
と思ってたんですが、こんな時に限って珍しく残業、そして結構なストレス展開。
しかし、せっかくの機会をストレスで楽しめなかったらもったいない!
と、劇場版見ながら気持ち切り替えた次第です。

ナレーション「そして神話は紐解かれた…」
こういうイベントものは事前準備も楽しいもの。
どこをどうやって回ろうかなぁなんて思いながらリサーチ。
詰め込みすぎないように。でも、後悔しないように。

展覧会の会場は、東所沢駅近くにある「ところざわサクラタウン」。
自分は全く行ったことがなかったんですが、なかなか面白い土地ですね。
街全体がアニメ雰囲気。
駅に降り立って、駅前すぐにあるポスター。
否が応でもテンション上がって良いですね。

少し歩けばFSSのマンホールも。

カッチョいい...
アニメ作品のマンホールを辿りながら道を行くと、目的地のところざわサクラタウンへ到着。

まずは隣接して建立されている「武蔵野坐令和神社」へ。

後で知ったのですが、正式名称は「むさしのにます うるわしき やまとの みやしろ」と言うらしいです。
クールジャパンの聖地に創建された祈りの場とのこと。

せっかくこういう場があるのだからと、まずはお参り。
そのまま社務所へ行って、神社のクリアファイルとコラボ御朱印を購入。
(後々、花の詩女verの方が良かったな・・・なんて、ちょっと思ったり。)

ちなみに、神社の裏手にはデカいタペストリーがありました。

どんどん上がり続けるテンション。
そして予定通り、まずは隣接カフェに行ってコラボメニューを堪能・・・と思ったら、
なんとオープンが11時から!(着いたのは10時)
リサーチ不足!
ということで、予定を変更して早速デザイン展へ。

今回の展覧会、900円追加で永野護さんの奥さんでありヒロインのCV川村万梨阿さんのナレーションで展示を楽しめるってことで、迷わず購入。

こういうシステムもファンとしては最高ですね・・・。
入り口からしばらくは撮影禁止エリア。
世に出始める頃からの作品や設定画が次々と並ぶゾーン。
今のデザインの礎となる土台部分が、この時代でこういう機会があって作られてきたんだ・・・と感慨深く見させてもらいました。
素人目でも、時代時代でこの頃はこういうデザインに凝ってたんだななんて分かったり。
人生を重ねると、重ねた人生のバリエーションの多さが武器になるもんですが、
こういったデザインの世界なんかは特にその引き出しの多さが重要なのだと感じました。
あと、永野護さんはメカデザインにしてもキャラデザインにしても、それぞれについて独創的な世界を持っていらっしゃるのが強いってのも改めて感じました。
長く続けると似たデザインの人を何人か見るものですが、永野護さんについてはそういう人が全然出てきませんものな・・・。
出てこないというより、「出てこれない」んでしょうね。
それくらい唯一無二であることを改めて実感しました。
そしてお待ちかね。
FSSのカバーイラストの原画からは撮影可能エリアです。
カバーイラストの原画・・・ヤバいですね(語彙力)

すごく当たり前なんですが、印刷物と原画でこんなに色合いが違うのか・・・と。
特に印象に残ったのは、この12巻の表紙。


周囲の紫の色合いがすごく美しく、迫力あったんですが・・・
そりゃまあ、PC(スマホ)表示じゃ伝わりませんな。




全部撮影している人もいましたが、自分は思い入れあるものや印象的なものを厳選してこんなところで。
こうやって並べて見ると、年を追うごとに円(丸)を意識したデザインになっているのかな?なんて思ったりでした。
撮影可能エリアはこんな雰囲気。


個人的に気に入ったのは、この天井からの歴代の詩女(うため)のタペストリー。
全員入るアングルを探しちゃいました。

立体商品の完成見本ゾーン。

自分は(今はまだ)作っていないので、ただただ感心するばかりです。

一番大きいのはダッカス・ザ・ブラックナイト(黒騎士)。迫力満点。

マグナパレスの安定のカッチョ良さ。(上下切れてるw

自分がいつか辿り着きたいツァラトゥストラ・アプタープリンガー(Z.A.P.)。

アイゼン、カッチョいい。


各コーナーの壁もこんな感じでテンション上がる雰囲気になってます。
ナイト・オブ・ゴールド(K.O.G.)の頭部の細かい文言もくっきり分かる設定画。



・・・ってか、改めて見てもメチャクチャカッチョいいな!

黒騎士のデザインの歴史。
モーターヘッドからゴティックメードに変わった瞬間は読者ポカーンだったけど、
今こうして見て「あーそういうこともあったなぁ」って思えるくらいには受け入れられているのが不思議というか何というか。

花の詩女。
会場内ではゴティックメードのカイゼリンが起動するシーンが流れていまして。
あのシーン、何度見てもカッチョいいんですよね・・・。
迫力もさることながら、起動時の映像の情報量が半端ない。
技術的な問題で円盤化してないそうですが、いつかは購入出来る日がくるのかなぁ・・・。
ちなみにこの会場内での映像、始まる前に撮り下ろしの映像&コメントがあるのも必見です。
ヤクト・ミラージュこと、正式名称「錨は巻き上げられ炎の時代が始まる」こと、
今は「GTMグローサー・ツァラトゥストラ・デトネーター・ブリンガー」。

壁に描かれていてもデカァァァァァイ!
皆さん、引きで全体写したいのが分かっているので、壁から一定距離を取って譲り合いながら写真撮影していたのが印象的でした。皆さん同志w
展覧会場の最後は、付箋に永野護さんへのメッセージ書けるゾーン。
愛されていますな・・・。



そして最後は永野護さんのメッセージ。

ガンダムファクトリーにあった富野由悠季さんのメッセージを読んだ時も思いましたが、
ひとつのジャンルやモノに情熱を注いで、チャレンジしては壁にぶつかり・・・
そういったことを繰り返しながら年齢を重ねてきた人の言葉は心を打ちます。
「ファイブスター物語」は、どう考えても物語の完結までは読めない作品。
でも、作り手や読み手には終わりがくる。
そのどちらかの終わりまでは人生の横に置いておきたい作品だと、改めて想いました。
まぁ、ね。
「おとぎ話」、ですからね。
ちなみに、平日の朝、気温一桁の冷たい雨が降りしきる日でしたが、見学の列が途切れない程度には人がいました。
休日の混み具合は想像を絶する状況でしょうね。
さすが永野護ファン。
そのファン層はやはり40〜50代が多い印象。
自分の近くで見ていた方は落ち着いた雰囲気の50代後半くらいの女性で、ファン層の広さを実感しました。
最後まで見終わって、グッズ販売会場の前に行くと「ここに入るともう展覧会場には戻れません」の表示。
それを見た自分、思わず後ろ髪引かれて展覧会場に戻って、軽くもう1周して雰囲気に浸ってしまいました。
それでも後ろ髪引かれまくりだったんですが、キリがないので思い切ってグッズ販売会場へ。
で、販売会場に入ってすぐのところに複製原画の購入エリアがあって、「セキュリティの関係上、会場でしか購入できません」の文字。
これは・・・ズルい・・・。
テンション上がった状態で購入欲を我慢できるわけもなく、1枚は買うことを早々に決意。
問題は購入する表紙イラスト。
第一候補はもちろん「はじまり」の第1巻表紙。
そして対抗は、今回の展覧会で紫の色合いが印象に残った第12巻の表紙。
物凄く物凄く迷って、一時は「もう、2枚とも買っちゃおうか!?」なんて思った瞬間もありましたが、
1枚44,000円ということで、さすがに自重。
迷いに迷った結果、このデザイン展での記憶の栞という意味も込めて12巻の表紙の複製原画にしました。
で、この複製原画に手を伸ばしてしまったのが財布の紐大開放のきっかけ。
1つだけ買うつもりのアクリルスタンドも2つ買ったり、もう色々と止まらなくなりましたw
そんなこんなでデザイン展を十分に満喫し、興奮冷めやらぬままコラボメニューが提供されている角川食堂へ。

外待ちも含めて10人程度の待ちでしたが、写真見返していたらあっという間。
そこそこ回転良かったです。
入口付近にはデザイン展のコラボグッズが陳列。
いいですねぇ。


そして頼むのは、もちろんコラボメニュー。
「永野アトリエ賄い飯」

「永野先生お気に入り 角川食堂ブレンドコーヒーとひとくちチョコ」。

コーヒーはエストのひとくちチョコ付き。素晴らしい!

そんなこんなを十分堪能しつつ、まだコラボグッズが売っている店はあるんですが・・・
あるんですが・・・ちょっと予定以上の出費だったので、これ以上の出費は出来ないと(見たら我慢出来る自信が無かったので)、
ほかの店は見ないまま、サクラタウンを後にするのでした。大満足・・・。
帰ってからは、冷えた体を温めるためにすぐ風呂に入って、
夕方からビール片手に戦利品を確認する至福タイム。
今回の戦利品はこちら。
(これプラス、「公式図録」と「複製原画」を予約購入。)

ちなみに、我慢し切れず2つ買ったアクスタはこちら。
マグナパレスと、

ツァラトゥストラ・アプタープリンガー

2機を並べたい気持ちが抑えきれませんでした・・・。

出会ってから30年以上、色褪せることなく唯一無二の世界観を生み出してきた永野護さん。
改めて比類なき存在であることを実感しました。
64歳という年齢は事実ですし、それほど長くは活躍出来ないのかもしれませんが、
体動く内は是非「ロックに!」作品を描き続けて欲しいと、切に願います。
「永野護デザイン展」、最高で大満足な一日でした!
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